第9日目(6/22ドルトムント)

ブラジル戦です。とにかく疲れましたが、遊んでいるので贅沢はいえません。
ドルトムントからボンのホテルに帰ってきたのは夜中の3:30で、結局駅から徒歩でした。


さて、朝。まずは朝食です。食堂で日本人の親子連れ(お母さんとお姉さん)に会う。やはりドルトムントへ行くそうです。
それから部屋でいろいろ作業。無線LANが使えるので電車の時刻調べたり、メールチェックしたり。電車の時刻に関してはどうやら13:44発のICがドルトムントまで乗り換えなしで行くみたい。あと、帰りの足も検索。電車はどうせ遅れるのだからいくつか調べてメモっておく。あと駅からホテルまでの帰りも。歩いて帰れる距離だけど、やはり暗い夜道は怖い。いろいろもらってきたパンフレットを漁るとナイトバスが走っている様子。バス停はホテルの目の前の昼間使っている路線のバス停ではないものの、ホテルに程近い交差点のバス停になら止まるようなのでそれを使えばいいかと。しかし、最終は2:31の中央駅発。まあその時間までには戻れると思いますが・・・。


で、駅へ。練習のためそのナイトバスが止まるバス停からバスで駅へ。G-JAPMSに行ってもう一度ステッカーやらもらおうと思ったけど「もう終わっちゃいました」とのこと。あといつまでやっているかと聞いたら「日本代表が大会で負けるまで」ということで今日で終わりかもとのこと。


駅では一応行きの電車の予約をしようと列に並ぶ。自分の番になって窓口のおじさんと筆談で「このICの予約をしたいんですが」といろいろやったものの、そのICは予約が出来ないそうで。残念。
と、その後事件発生!駅から出ろと言われる。何かと思ったら駅構内で火災発生らしい。近くにいたドイツ人に「ファイヤー?」と聞いてみたら「すんげー小さいファイヤー」と言っていました。言うなればボヤ。確かに駅の電飾の一部が燃えているのがわかりました。しかしこれで消防車が5台も来るかね…。


騒ぎも収まりホームでICをまつ。ブラジル人の一団が乗ってくることを恐れて車両の先頭のほうへ。日本人と会っていくらか話をしましたが、彼らはケルンで降りていきました。このあたりは線路がやたらと入り組んでいて、いろいろな経路でいける感じなので、彼らは別の列車を選択したのかも。僕はそのままICでドルトムントへ。意外なほどサッカーを見に行く人があまり乗って来なかったのですが、無事ドルトムントに着くとやはりすごい人。


駅構内は「I need ticket」の人がわんさか。日本人、ブラジル人はもちろん別の国の人も。そこで思ったのが「どうして別の国の人がこのチケットをほしいのか?」ということ。確かにブラジルの試合は魅力的ですが、僕がどうせ譲るなら関係ない国の人より当該国のファンに譲るんじゃないかなと思いました。まあ、売るほうは実際には高く売れればそれでいいんでしょうけど。と言う意味でも明日のフランスvsトーゴは自分も「I need ticket」をやるつもりですが、フランス人やトーゴ人に譲るべきなのかと自問自答。


駅を出るとヴェストファーレンスタディオンのスタンドを模した写真がいっぱいに広がっています。気分が少し高揚します。まっすぐ進んでいくとメインストリートのようなショッピング街があってやはりすごい人です。ブラジル人、日本人はもちろん、地元ドイツ人もいるのでしょう。やはりブラジルは世界的な人気でしょうからブラジルを応援するドイツ人も多いのですが、日本を応援してくれる人も結構いました。でもやはりグッズを見るとヨーロッパ関係とブラジルのは多くても日本の関連は少ないですね。


ファンフェストの会場に近づくといろいろな国の人が。イングランド人もオランダ人もスウェーデン人もいました。広場前のカールシュタットシュポルトでグッズ漁り。取り立てていいものはありませんでしたが、マッチデイTシャツを購入。どうやらこのTシャツ開催地の表示ありとなしがあるみたい。あと、ドイツ人の少女(15歳くらいかな)がお母さんと一緒に日本代表のユニフォームを買っていて目が合いました。もちろんお得意のサムアップで挨拶しておきました。こういうのは心底うれしい。ということでG-JAMPSでもらってきたブルーフラッグをあげることに。すんごく喜んでくれたのですが、そうしたらお母さんが「サインください」と彼女らが持っていた日本の国旗を差し出してきました(日の丸を持っていてくれたのも嬉しい)。僕の名前?芸能人でもないんですけど。そしたら「今日の記念に」だって。うれしいこと言ってくれます。名前と「from tokyo」と書き込んでおきました。あの親子、試合楽しんでくれたかな?
カールシュタットシュポルトはとある広場に面していますが、その並びにはボルシア・ドルトムント(BVB)のファンショップもあり。BVBのステッカーセットだけ買いました。


時間的にはイタリアvsチェコ戦が終わって、同時に行われたアメリカvsガーナはガーナが勝って決勝トーナメントに勝ち進んだ模様。ファンフェスト会場に向かうとイタリア人が盛り上がっていました。小腹が減ったのでお得意のソーセージをパンで挟んだものとビール。このソーセージがまたデカイ!昨日はパンの大きさ1に対して3くらいと思っていましたが、今日のは5くらいありますね。


それを持ってウロウロしていたらドイツ人の少年(まだ7,8歳)が声を掛けてくるんだけど、ドイツ語なのでよくわからない。「ニッポンがんばれ」と言っているような気がするんだけど。コミュニケーションをとろうとしていたら少年のほうが僕を怖くなったみたいで黙っちゃった。隣にいたお母さんが笑っていたので「英語しか出来ません。ゴメンネ」と言っておきました。だけど、デジカメにさっき買ったBVBの小さなステッカーを貼っていたらそれを見つけた彼はチョットにっこりしてくれました。試合も楽しんでくれたかな?


さてそろそろ会場へ。会場へは地下鉄で行こうとしてインフォメーションで聞いたら徒歩のほうが早いと言うこと。そうしたら別のおじさん(お兄さん)が僕に声を掛けてきて「俺が教えてやる」見たいな事を言っている。よく聞くと道路に赤いカーペットが敷いてあるからその通り歩けば20分くらいで着くとのこと。そっか歩いていくのも悪くない。20分くらいなら近いもの。スタジアムへ徒歩で近づくときの高揚感もまたいい。ということでお礼を言って別れる。ちなみに何人か聞いたら「スイス人」とのこと。お、明日韓国戦じゃねえか!「絶対勝てよ!絶対!」と日本語と英語で発破を掛けておきました。で、赤じゅうたんに沿ってスタジアムへ。


スタジアムへの道は屋台もたくさんで楽しく、あっという間にスタジアム近くへ。まずはチケットと荷物、ボディチェック。ニュルンベルクでは炎天下の中30分ほど待たされましたが、ここではかなりすんなりと入れました。チェックの入り口も多かったし。折り畳み傘とかもあったんだけどお咎めなし。疲れたのでしばしガードレールに腰掛けて休憩。ニュルンベルクで出会ったあの有名人もいました。


いよいよ憧れのヴェストファーレンへ。すげー、何だこれ!ボックス型でスタンドがそそり立ったスタジアム。日本にはないし、イギリス行ったときもこういうのはなかったかな。イギリスのスタジアムは大きくてスタンドがそそり立っているところもあるけれど、スタンドの形が非対称だったりしますが、ここは完全なボックス型。屋根も大きめにとってあって声も反響するし、テンション上がるわー。席はメインスタンドのかなり端っこ(コーナー付近)。でも問題ない。周りは日本人ばかりかと思ったら5列ほど前にブラジル人の一団が「ブラージウ!ブラージウ!」ってうるせー!ま、仕方ない。


あとスタンドのコーナーあたりに放送局用の仮設スタンドが組んであってそこで放送局の人がレポートしていました。日本だとテレ朝の角ちゃんとか福田さん。あと韓国KBSの解説はユ・サンチョルでした。その隣でどこか外国の放送局の人がレポートを収録していたんですが、カメラを向けたら気づいてくれました。最初「隣の人写せば?」とKBSのスタッフを指差していましたが、いやいや、それは韓国人だからということで「あなたたちの写真とっていいですか?」と指で確認したら「僕らでいいの?」という感じでしたがポーズを取ってくれました。おじさんレポーターとイケメンレポーター。イケメンのほうはどこかで見た顔なんだけどなあ…元選手とかじゃないかなあ。


さてそんなこんなで試合が近づきます。盛り上がってまいりました。トイレに行っている間に先発発表。巻、玉田、稲本など。驚きでした。
試合開始。隣の席が空いていたのですが、程なくするとスタッフのパスをぶら下げたドイツ人が「そこあいてる?」と聞いてきたのであいていると答えると座ってきました。以前に話に聞いていましたが、スタッフの人も自分の仕事がないときは試合を見ることが出来て、席が空いていれば座っちゃうのだそうです。確かに周りにもそういう人がちらほら。とりあえず日本を応援させようと自分が首からぶら下げていたタオルを掛けて日本を応援させました(笑)。
いろいろ話を聞くと彼はチームバスのドライバーだそうで、首から提げたスタッフパスがあればどのスタジアムのどのエリア(スタンド)にも入れるのだと言っていました。もう7試合目だそうでうらやましい限り。しかし、すごいハードだということ。同じチームに同行するのではなくて、地域の中で移動してくるチームを運んでいるのだとか。スケジュールも結構厳しくて、2-3時間しか寝られないときもあるらしいです。安全運転でお願いしますよ。
彼はシャルケのサポーターということで、クラブサポーターのカードも見せてくれました。シャルケのスタジアムは近代的でチケットもICカード?なんでしたっけ。その為かそのカードにもICチップが埋め込まれていました(銀行のカードと一緒ですね)。日本代表はどうかと聞いたらあまりよくわからないと。「でもチャボンクンっているだろ?」だって。おい、それ韓国人だよ!指摘したら、あーそうなんだって感じ。でもチャボンクンの次男はシャルケのユースにいたことがあるんだということ。
あと応援している最中にブラジルのチャントに乗っかって「ララララー」とか言っているから「ブラジルの応援しているのか?」と聞いたら「いや、シャルケの応援でもこのチャントがあるから体が反応しちゃって」見たいな事も言っていました。


…っていうか、そんな話をしているせいで試合の展開はぜんぜんわからず(笑)。もちろん、日本が先制したこと、そこからブラジルが本気出しちゃったこと。三都州の守備が甘いこと。俊輔の動きがいまいちなこと。ロナウジーニョがすごいこと。ジュニーニョ・ペルナンブカーノのロングシュートはまさに彼の真骨頂であったこと。ロナウドが太っているのに2点も決めちゃったことなどは認識していますけど。でも、システムがどうだとか、内容がどうだということはもうどうでもいいのです。この雰囲気を味わって楽しむことが大事なのですよ。上にいける可能性が高いのであればやきもきしましたが、勝利を信じつつも現実的な可能性というものも理解していたので、そのあたりは多少割り切りながら見ていました。勝利勝利も大事ですが、やはり今の日本はまだまだワールドカップで上を狙う国ではないです。ブラジルとかアルゼンチンとか、イングランドとかオランダとか。本気で優勝を狙っている国とはチームもファンもモチベーションが違いましたし、我々もそれは現実としてみないといけないかなと感じました。ただ、オーストラリアが抜けたという事実は、もし日本があのときにあのまま勝てていれば日本が上にいっていた可能性もあったということ。惜しいことをしました。


と、まあそんな後付の感想ですが、バスの運ちゃんは仕事があるからと試合終了前に去って行きました。その時に何かあげるものはないかということでG-JAMPSのピンバッチをあげました。喜んでくれていたようです。


試合後、スタジアムのスタンドをいろいろ回って写真を撮っていたところ、やはりブラジル人から「ユニフォーム交換しないか?」と声を掛けてきました。その為にタイ製のユニフォームをこっちで買ったのですから願ったりかなったり。ブラジル人は7番アドリアーノのユニフォームを着ていてこれと交換しようぜといってきたのですが、僕のユニフォームに番号が入っていないのをみると「おい、お前!ナンバーが入ってないじゃんか!俺はナカタのと交換したいんだよ!」と言われました。あ、だめかなーと思ったらいきなり友達を呼んで「じゃあ、こっちのと交換しようぜ」と友達のバックから10番ロナウジーニョのユニフォームを出してきました。旧モデルだから要らなかったのかな?こちらとしては旧モデルのブラジルのほうが好きなのでぜんぜんOK。ロナウジーニョというのがメジャーすぎて、またチェルシーの宿敵としてもあれなのですが、まあいいでしょう。もらったシャツはブラジル製。結構ちゃんとしたつくりでした。外国人特有の香水のにおいみたいのが付いていましたが(笑)。


帰りは地下鉄で中央駅へ。ブラジルのユニフォームを着て、日の丸背負っていたのですが、そしたらまた「オーコリア!」と白人男性に声を掛けられる。おい、こんな韓国人いるわけないじゃんか!と思ったのですが、何人か聞いたらさっきとは別のスイス人2人でした。「お、明日試合だな!」なんて話になってやはりここでも「絶対勝て、絶対勝て!」と言っておきました


中央駅に着くとやはりすごい人で、ケルン方面に行く日本人の多いこと。00:13のICEに乗ろうとしたらいっぱいで乗れません。もう無法地帯になっています。もっと中詰めれば乗れるのに。中に詰めてくださいと日本人にゼスチャーしたものの無視された。おいおい。で、ぜんぜん発車しなかったのですが、反対ホームにデュッセルドルフ行きの快速が。ICEが動かないならこっちにのって先回りすればいいじゃん、と判断して快速に乗ったらそっちのほうが先に発車しました(笑)。ICEに向かってみんなで「チャオー!」「チュース!(バイバイ!)」とか。
実際快速では途中から座れましたし正しい判断でした。快速の中ではブラジル人女性(かなり美人)がチアホーンを鳴らしていたら車掌に怒られたり、それでもやめなかったらドイツ人に取り上げられて喧嘩になりそうになったり(そのドイツ人には車両のみんなが拍手していましたが)、楽しい快速でした。で、デュッセルドルフで例のICEに乗り換え。デュッセルドルフにはちょうど同じ時間に付きました。


ケルンに付いたのは予定の30分遅れの2時すぎ。


で、ケルンからボンへのICは2:38。完全にナイトバスは終了です。ボンに付いたのは3:00過ぎでした。タクシーにしようか徒歩にしようか迷いましたが、タクシーなんて乗ったことないし、言葉もわからないし、いくらかもわからないので意を決して歩くことに。街灯があって思ったほど暗くなかったし、すれ違う人もいなかったけど、後ろから付いて来る人は怖かった…。ホテルに着くとちょうど何人かの日本人の方がタクシーから降りてくるところでした。なんだ、日本の人もこのホテルにこんなに泊まっていたんだと。ロビーでお話をして僕が徒歩で来たと言ったら驚いていましたが。あとその人達はICEでケルンまで来たそうですが、やはりずっと立ちっぱなしで快速のほうが良かったねなんて話も。


はー、疲れた。けど楽しかった。ということでシャワーを浴びて寝たのでした。


>>>第10日目へ続く
http://d.hatena.ne.jp/wm06_de/20060629/1151584945