第5日目(6/18ニュルンベルク)

いよいよ試合が見られます。日本vsクロアチア


いつもの通りホテルで朝食を取って、早めに駅へ。9:25のICEでニュルンベルクへ。アウグスブルクの次がニュルンベルクでした。1時間程度。昨日までほとんど見なかった日本人もかなりいました。同じホテルでも出くわしました。自分はホテルからもちろんユニフォーム着て背中に日の丸背負って出かけましたが、駅前でドイツ人のおっさんに「今日は試合か?」と聞かれたので「ニュルンベルククロアチアと」と答えたら「勝たなきゃいけないね」だって。よく知っているね。駅のホームでも日本人とすれ違ったけど、国旗を背負っている僕を見て「すごいね」とささやいているのが聞こえました。でもこれが普通ですよ。何も凄くない。


ICEに乗ると既にミュンヘンから乗ってきた日本人もちらほら。通りしな「こんにちは」と挨拶。見ず知らずの人でも心はひとつ。こういう挨拶は気持ちいいいですね。中にはしない人もいるけど。でも絶対するべき。で、空いている席を見つけて座ったら通路の向かい側の4人がけ席は4人の韓国人。そう、今日はライプチヒで韓国も試合があるのです。そのICEはライプチヒも通るから韓国人も多かったのです。もちろん、挨拶はなし(笑)。言葉も通じないしね。


ニュルンベルクへ到着。駅を降りると既に青と赤白の軍団がいっぱい。シュツットガルトのオランダ人ほどうるさくもなくお互い非常に友好ムード。ニュルンベルクという街も非常に歴史のある感じで駅前にまず城壁があり、中心部は城壁で囲まれています。その中に教会があったり、観光地があったり。道は石畳なので、汚すにも汚せないと言うか、そのあたり我々もわきまえているのです。シュツットガルトはごみだらけだったけど。


まずは一応「地球の歩き方」を見て徒歩で観光地めぐり。観光大好き日本人。見所はそんなにないのですが、とにかく建物は荘厳だし、全体的に絵になるのです。通りには屋台も出ていてソーセージをパンではさむ料理(ホットドック、といいたいところだけど、普通イメージするホットドックとはウインナーのでかさが違う)を食べながら歩く。カイザーブルグという丘の上のお城まで行ったところで12時。そろそろ戻るか…ということで中央駅へ。で、せっかくニュルンベルクにきたので1FCニュルンベルクのグッズ売っているところないかとインフォメーションで聞いたら街のスポーツショップで売っているよということでそこへ。でも日曜で休みでした・・・。ドイツはお店の休み多いなあ。


で、中央駅からSバーンでスタジアムへ。電車はすし詰め。おまけに冷房がないものでサウナ状態。10分程度で駅について外に出たら涼しいのなんの(実際には涼しくないんだけど)。チケット(座席エリア)によって駅の出口が違うみたいなので、一応ホームにいた警官に確認したら「関係ないよ。こっちのほうが近いよ」だって。ということで言われたとおり外に出る。


もちろん、外も青と赤白でいっぱい。ちょっと写真を撮ってたら14時。あと1時間ということでスタジアムへ入ることに。まずはセキュリティチェック(チケット、荷物、ボディ)があるのですが、なんとそこで先日シュツットガルトで声を掛けてくれた男性と運命の再会!びっくり。ということでまたちょっとお話をしながらチェックの順番を待ちます。しかし、一向に進まない。シュツットガルトではそんなことなかったということで「もしかしたらクロアチアの発炎筒を調べてるのでは?」なんて話をして順番待ち。それでも進まない。暑いっちゅーねん。結局チェックの順番が来たのが40分くらいかかってから。でも他の列で最初僕の隣にいたひとは既に中に入っていたりして。僕のいた列が特別厳しい係員だったみたい。


実際に荷物チェックを見ていると折りたたみ傘はだめだったり、手帳の中身まで見せられたり…。セロテープがだめという人も。なんだこれ。そりゃ時間はかかるわ。ということで僕の順番。チケットOK。カバンもOK。でもミネラルウォーターはだめ!ペットボトルじゃなくて紙パックの水だっていうのに!水がないなんてやっていられないよ。殺す気か!でも仕方ない。ボッシュート。あとはボディチェック。かなりきっちりやられる。股間もちょっと触られる(触ろうと思ったわけじゃないだろうけど(笑))。で、ポケットのふくらみを指摘される。入っていたのはtictac(ミント)のプラスチックのケースでOK。でやっと検問を突破。


試合まで15分。その次のゲートでチケットを実際に機械にかざして青ランプが付くと入場できる。さてスタジアムは目の前だけど、その前に水を買わなきゃ。でも水がなさそうだったのでコーラ。オリジナルのプラスチックのコップに入れてくれる。ちなみに今日1日で朝から3-4リッターの水分(水、コーラ、ビール)を摂っているような気がします。全部外に出ちゃっているでしょうけど、それくらい飲まないと本当にやばいのです。がぶ飲みです。


座席へ。席は2階のコーナー付近。陸上トラックもありますが、比較的見やすいスタジアムでした。で、時間はもう選手入場直前でした。しかし、この雰囲気はすごい。今までに味わったことのない高揚感。スタジアムの一体感(クロアチアファンも含めて)。自分、普段あまりテンションはあがらない性格ですが、今日はこれで完全にテンション上がりました。君が代も大声で歌い、普段試合中にあまり声を出さない自分も自然と声を出していました。そういう雰囲気がワールドカップにはありました。4年前は日本の試合見れなかったですし。


試合は見ての通り。でも、断片的にしか記憶がないのです。試合そのものを見ているというより、その環境・雰囲気を楽しんでいるというか。
一番盛り上がったのはやはり川口のPK阻止でしょうか。あの瞬間はスタンドも揺れました。


しかしやはり試合は全体的に消極的なのです。もっと走って!と思いましたが、イヤー、この暑さは…足も止まるよ、とちょっと同情的にもなりました。


選手の投入は良かったと思います。稲本は中盤で激しくいけますし、パス頼みでぜんぜん動かないチームにドリブルの出来る玉田を入れたのも正解だったと思います。でも玉田は開いているだけで、結局ボールが通らないので効果的ではなかったですが。最後のカードは大黒でしたが、ここは巻でよかったんじゃないかなと。汗を掛けるしポストも出来るし。放り込んでズドンとやってほしかった。


とまあ、結局引き分けとなりました。でもクロアチア相手に引き分けというのは当初から予測できたことなので、それ自体はまずまず。ただ、今回も選手の気持ちが伝わってこないといえばこなかったですね。再三いうように暑いからというのもあるんでしょうけど。負けなかったから良しとすべきか。


感心したのはアレックスが試合後にピッチからファンに挨拶に回っていたこと。他の選手は一部に挨拶に行って引き上げましたが、彼は一人で他のファンがいるエリアにも来ていました。
マン・オブ・ザ・マッチは中田。会場からはブーイング。確かに中田は惜しいミドルシュートも合ったけど決して良くはなかった。やはりPK阻止の川口でしょう。


あと、ひとつだけ嫌だったこと。後ろの席のおやじがずっと野次っていました。バカだナンだと。まさかドイツに来てまでこんなのの近くに座ることになるとは。我々ファン・サポーターは12人目の選手なわけですよ。応援のスタイルはいろいろでいいと思いますが、我々12人目の選手が他のチームメイトに向かってバカとか言いますか?チームメイトに向かってそんな事いう選手なんていないでしょう。こういう人はホントにスポーツ見る資格ないと思いますよ。


さてまあ、そのおやじを抜かせばワールドカップを本当に満喫しました。危険とかはまったくないし、盛り上がりは最高。天気は暑かったけど良かったし、言うことなし。試合の結果には悔いが残りますが、まだ大丈夫だと信じています。試合見に行くんですから。少しでも希望を持たないと。ブラジルの慢心を付いて…宮本が出場停止だけどね。


試合後はブラジルの試合が気になったので、ファンフェスト(パブリックビューイング) 会場へ。フランケンスタジアムの横は大きな湖になっていて、その湖に沿って会場まで歩きます。会場に行くまでにもクロアチア人と国際交流。「ユニフォーム変えないか?」とクロアチア人に何度も言われましたが、残念だけど次があるので・・・ということでお断り。んー、もう一着つくろうかな。あとは「ミルコ!(クロコップ)」とか言って盛り上がったり。ドイツ人も日本のシャツ着ている人が結構いて、目が合うたびにお互いニッコリ。いいね、この関係。



で、ファンフェストではいろいろな国の食べ物が売っていたり、もちろんビールも。試合を見ながら時間をすごしましたが、アウグスブルクに帰るために前半途中で席を立つ。すると隣に座っていたおじさんが「チャオー」だって。よく見たら日本語書いた扇子を持っていた。この人も日本ひいきだったのね。会場から駅までもいろいろな人とすれ違い。「日本、よくやった!」的なことを言うドイツ人(?)もいたりして、クロアチアと引き分けたことは意外と評価されているみたい。


Sバーンの駅について中央駅まで行く電車を待つ。ホームを歩いてベンチに座っていた警官4人組の前を通りかかったときにそのうちの1人の警官が持っていた警棒を「シャキーン」と伸ばす。一応驚いた仕草(体をのけぞらせた)をしたら警官が大爆笑。本気でビビったとでも思ったかな?変な国際交流。


中央駅について10分もしないうちにICEが到着。ここからは行きの逆。1時間程度でアウグスブルクへ。降りる際、出口付近に座っていた若者グループの一人が「コンニチハ」と言って来たので「こんにちは」と返したら、日本語が通じたのがうれしかったみたいでまた爆笑。なんだこいつらは!でもそういうのも楽しい。


ということでアウグスブルクへ到着。昨日のマクドナルドの兄ちゃんに報告に行ったらいませんでした。買い物だけしてホテルへもどる。


戻ったらフランスvs韓国戦。あらー、韓国がんばってるじゃないの。その後のハイライトを楽しみにしていたら、今日は日曜のためかあまりそういう番組はないみたいです。ニュースのハイライト的なものはありましたが、日本vsクロアチア戦の扱いは少しだけでした。クロアチアよりの編集でインタビューもクロアチアの選手のしか流さないし。仕方ないのかな。


>>>第6日目へ続く
http://d.hatena.ne.jp/wm06_de/20060620/1150812077