ボン市民の反応と日本代表の「壁」

日本代表が拠点としたボン。ボンではさぞや「Willkommen Japan!!」と熱烈歓迎されるかと思いきや…意外とそう感じられる事はありませんでした。ちょっと過剰に期待していたようです。

日記の方でも書いてきましたが、開催都市のお祭り騒ぎに比べると静かな雰囲気で多少の物足りなさを感じました。ドイツ戦があった日はドイツの勝利に喜んで騒いだり、ドイツ以外の試合でも街頭にテレビを出して酒などを飲みながら熱心に見入ってはいたのですが。

報道陣とサポーターの情報拠点ともなったG-JAMPSも、ボン市内の練習場もほとんどが日本人で、地元のドイツ人は5%くらいだったんじゃないでしょうか。結局、「ワールドカップには興味があるけど、日本代表にはあまり興味ないよ」という感じでしょうか。


なにやら報道によると日本代表はボンで市民との交流をあまり持たなかったらしい。大会前のニュースでしたが「これはいかがなものか」と感じました。4年前は日本で各国代表がキャンプを張っていろいろな交流を持ってたのに。

ボン市民がっかり選手交流なし
http://germany2006.nikkansports.com/paper/p-sc-tp3-20060607-0015.html

自分自身、以前から今の代表とファンの間に壁があるような気がしていました。国内最終戦スコットランド戦でも最後の挨拶はなし。「ファンに開かれた代表」なんて大義名分を掲げながら。
福島での練習もボンでの練習も公開しましたが、見せるだけでは…。ボンで練習見に行った時も最後そろって挨拶でもしてくれたのかな?最後までいなかったのでわからないけど。三々五々、ロッカーに引き上げていったように見えたんだけど。
クロアチア戦の時も全員メインスタンド方面には挨拶行くのにバックスタンド方面まで挨拶に来てくれたのは三都主だけだった。
そういうところを総合的に見ていくと…なんか壁を感じたし、チーム自体もまとまっていないのかなという印象も。


マスコミは「トルシエ時代は非公開だったけど、ジーコは公開した」と4年前を引き合いに出していましたが、練習を公開すればいいのか?と感じました。
僕から言わせれば4年前の方がよっぽど国民と代表チームの気持ちは強く結ばれていたと思います(日本開催ということもあったと思いますが)。この差は何なのかなあ?よく分からないけど。


ボンではブラジル戦の翌日に市庁舎を表敬訪問したらしいですが、随分とお疲れの様子でしたね。サインを求めるボンの人たち(日本人もいましたが)に対応していたのも数人だったようで。
ボンの人たちに日本代表はどう写ったのかなあ?それでなくても日本人は無表情で何考えてるんだか分からないといわれるのに、あんなお疲れの表情でサインにも応じないでバスに乗っちゃうとは。
SAMURAI BLUE」だなんだと旗を配っておきながら、彼らはボン市民、ドイツ国民に侍魂を見せつけることが出来たのか?


トルシエといえば、99年のワールドユースではトルシエ監督が選手を引き連れて地元ナイジェリアの孤児院を訪れた、という話を思い出しました。今回もそういうところに行けばよかったのに…というわけではないのですが、日本を代表していったメンバーがボンに何も残せられなかったらそれはとても寂しい。1勝でもすれば最高のプレゼントだったのに。


まあ、ボン市民の正直な気持ちを聞いて回ったわけではないのでホンネのところは分からないのですが、ブラジル戦の朝、ホテルの女性スタッフから「試合見に行くの?私も日本の幸運を祈っている(クロスフィンガー)からね」と言われたのが今となってはちょっとした救いです。